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ララランド

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 結婚してから…というかその少し前から映画館で映画を観る習慣が多少は定着して来ていたんですが、去年の年末あたりから「予告編」で矢鱈(やたら)と掛かる様になっていたのがこの映画。


*このメインテーマがやたら耳に残ってその日ほぼ1日中脳内で掛かっていました(笑

 年明け当たりから「話題作」ってことで朝のニュースバラエティとかにも取り上げられる様になり、前代未聞の「アカデミー作品賞読み上げ間違い事件」の主役になったことで更に知名度アップ。

Ost: La La Land

 そんなこんなで観てまいりました。

 冒頭の渋滞に巻き込まれた市民たちが次々に歌って踊り出し、そして一斉に車に引っ込む演出からして度肝を抜かれます。

 確かに直前まで泣いていたり、下手すると死んでた人物までが突如朗々と歌い出し、「愛しているわ~」だの自分の気持ちを歌に乗せるタモリが大嫌いな「ミュージカルっぽさ」はあまりありません。

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 一応「歌い始める」場面は幾つかあるんですが、お調子者たちが酔っぱらって歌いだした…じゃないけど、ギリギリ現実に見えないことも無いラインで演出されています。

 主役二人のデートでのダンスシーンは二人ともピアニストに女優と表現者だから実際に踊り出しても無理はない感じだし。

 一部を除いて、生活感のまるでないキラキラのステージみたいなところでは歌わず、ホコリの舞ってそうな自宅とか薄汚れたアスファルトとかで歌って踊ります。む~んなるほど。

 というか、冒頭の「渋滞ミュージカル場面」もまるで「白昼夢」みたい。なんといっても「すぐに現実に戻る」という宣言みたいです。

 ミアのルームメイト4人組が着飾ってパーティに行こうと言う場面では4人の踊りが明らかに揃ってない!…のにキャラの個性の演出なのか無理に揃えようとしていない感じ。この辺が今風ってことなんでしょうか。


 お互いに夢を信じるラブストーリーだと聞いていたんで、もっとベタ甘な展開なんだろうと身構えていたんですけど、ある意味観客の生理にあった大人のストーリー展開でした。

 ただ、二人とも自分のスケジュール把握してなさすぎ!ちゃんと手帳とか使いましょう。

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 まあ、それだと幾つかのすれ違いと不義理からのケンカの展開にならなくなっちゃうけどね。

 とりあえずパンフレットの町山智浩さんの解説は必読。
 何しろありとあらゆる場面が過去の名作ミュージカルや映画の引用とオマージュで作られていることが分かります。

 なので、ただ単に観ただけだと「ふーん…まあ、こんなもんか」で終わっちゃう可能性もあるかも。

 「ミュージカルの伝統へのこだわり」なんて、作る側の事情なんであって一見さんのお客は知ったことじゃありません。
 劇中でも「古い伝統的なジャズ」にあくまでこだわるセブ(主役の男)の視点から描かれるんですが、それは「古い伝統的なミュージカル」に拘(こだわ)る監督自身の姿でもあるんですね。

キネマ旬報 2017年3月上旬号 No.1740

 バンドに誘ってくれるかつての仲間は言ってみれば「金で魂を売った」存在として描かれはするんですが、必ずしも彼は悪人と言う訳ではありません。むしろ映画によっては彼の方が主役を張って、「過去ばかりみている」セブを敵役に配置することも可能でしょう。

 この映画は完成まで6年掛かったそうですが、大ヒットしたことで見事大逆転!ではありますがかといってこれからミュージカル映画が次々につくられるようになるとは思えないなあ。

 基本的には「淡々と始まって淡々と展開し、淡々と終わる」映画です。フランス映画みたいに…というと言い過ぎですが。
 ただそれも、監督による「おれのかんがえたさいきょうのみゅーじかる」の再現ということだったんですね。

 相当予備テキストがいる映画みたいです。そこまで付き合う気はありませんが。


 とにかくラストの衝撃展開が物凄く驚きました。

 本当にネタバレを防ぎたいんならそれすら言うべきじゃないんでしょうけど、とりあえず触れるくらいはしないと。

 この展開と演出も幾つかの名作へのアンサーになっているそうではあるんですが、「そう来るか」と驚きました。

 そしてこれがこの映画が「淡々と終わる」現象を引き起こした原因となっています。

ラ・ラ・ランド La La Land シルク調生地 ファブリック アート キャンバス ポスター 約60×90cm ライアン・ゴズリング エマ・ストーン [並行輸入品]

 もしあの展開がもっともっと「いかにもアメリカ映画」っぽかったらきっと「愛すべきカルト映画」となり、熱狂的なファンを獲得して大ヒットロングランになったでしょう。
 しかしその道は選ばなかった訳です。

 その構図はまるで劇中の「ジャズ」を巡るアーティストたちの構図の再現です。

 監督は一見さんの観客の誰も気付かないレベルで「伝統的なミュージカル展開」を完遂して満足しているのでしょうが、結果はラストのセブと同じです。

 もしも『金に魂を売って』いたならば「伝統的なミュージカル展開」は不可能でも全てを手に入れてより幸福だったかもしれない。

 どちらが幸福かなんて誰にも決められません。

 そういうこだわりって良く分かるんでその意味では凄く共感します。きっとプロデューサーにも言われでしょうね「お前の誰にも分からん下らんこだわりなんぞ知るか!もっと観客の見たい展開にしろ!」とかね。

 終わった瞬間に熱狂して立ち上がって拍手する系統の映画ではありませんが、しみじみいい映画です。



ポスト・スクリプト

 とはいえ話題作だし、大ヒットしてるんで結果オーライなんですけどね。

 ただ、ここまでサブテキストがいる映画は日本じゃあ大ヒットまではしないんだろうなあ。私たち夫婦が観た時は公開2週目だったけど、「君の名は。」とか「この世界の片隅に」とか「ファンタスティック・ビースト」だとギュウギュウで入れなかった劇場が真ん中に座れて埋まってる席は半分くらいだったし。

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック(スコア)

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック
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ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック(スコア) Ost: La La Land キネマ旬報 2017年3月上旬号 No.1740 『セッション』オリジナル・サウンドトラック シング-オリジナル・サウンドトラック Ost: La La Land セッション コレクターズ・エディション [Blu-ray] ラブ・アゲイン [DVD] LOVE IN THE FUTURE 【チラシ付き 映画パンフレット】ラ・ラ・ランド 監督 デイミアン・チャゼル キャスト ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン 本年度アカデミー賞® 6部門受賞 主演女優賞、監督賞、主題歌賞、作曲賞、撮影賞、美術賞

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