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ベイマックス(ブラックウッド)

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子供の頃に観たかった! ★★★★☆

 日本の宣伝だと「少年とロボットの心温まるふれあいの感動物語」みたいにされて、ポスターのキービジュアルなどでもそんな感じだけど、実際はなんと「戦闘ヒーローもの」オマージュの「アメコミCG映画」なのでした。



 要するに「忠犬ハチ公物語」を観に行ったと思ったら「秘密戦隊ゴレンジャー」が上映されていたみたいな感じか(例えが古いな)。 
 いや、規模でいうなら「路傍の石」観に行ったら「スター・ウォーズ」やってたみたいな。

 結論から先に言うけど、小学校に入る前やら小学校低学年の子供がいるなら迷わず行くべき。筆者が子供の頃に「ドラえもん」映画などで味わったワクワクドキドキに匹敵するものが味わえる。



 笑いあり、涙あり、興奮あってハッピーエンド。
 こういうのを作らせると「夢工場」ハリウッドは本当に無敵だね。

 危機を乗り越えてハッピーエンドで終わる『娯楽映画』を一段低く観る風潮って相変わらずだけど、「人生について深く考えさせてくれる」()映画ってのは、ぶっちゃけた話適当にやってもどうにかなる。
 しかし、最後まで観客のエモーションをハンドリングするのは「技術」であって「構成」の問題だからちゃんとした職人でないと出来ないの。



 もちろん、そうした「製品」みたいに作品を送り出す体制にだって問題は無い訳じゃなくて、結局お話はどれも似て来ちゃう。「構成」が同じ論理ならそりゃ似るだろ。
 実際、アニメ映画「ベイマックス」に真新しい要素は…誤解を恐れずに言えば…何一つない。
 保護ロボット「ベイマックス」の設定しかり、謎の仮面男の正体しかり。しかし、それが何か問題かね?

 ネタバレを避けるけど、ラストのどんでん返しなんてそっくりな作品を幾つも上げられる。だからどうした。面白いし感動できるし泣けるんだからいいじゃないか。そもそも子供はそんなマニアックな知識なんぞありゃせんのだ。

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 そして、どうしてここが押し出されないのか不思議で仕方が無いのだけど、完全に「日本リスペクト」作品。
 主人公や兄の名前、人種的特徴はもとより、ありとあらゆる箇所が日本からの引用だらけ。そもそも「色分けされた戦隊ヒーロー」なんてそのまんまじゃないか。
 舞台となる「サンフランシソウキョウ」なんて既視感に襲われまくり。間違い無く秋葉原などの街並みも反映されていることだろう。
 悪いけど、個人的には「パシフィック・リム」よりもずっと日本オマージュを感じた。あっちも最高だけどね。

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 これの宣伝が何ともヌルい「感動の小品」的な扱いになってる上に日本リスペクト映画という事実を隠してるも同然なんだから、日本に敵対する勢力のスパイによる陰謀なんじゃないか?とジョークの一首もひねりたくなる。

 劇場が子供でみっしりだったのは嬉しい。何だかんだ言ってもやっぱり子供向け映画だから。あ、これは「ジャリに見せとけばいい」「子供だまし」って意味じゃなくて「子供向け映画」ってことね。
 子供がいちいちビビッドに笑ったりするのが素晴らしい。良く計算されてる。「笑わせるべきところで笑わせようと思って笑わせる」のも立派な技術。「嗤(わら)われる」のは技術じゃない。そりゃ筆者は某号泣会見でこれよりずっと笑ったけど意味が違うから。
 ラストに近くなると先回りして泣いてる子がいて別の意味で泣きそうに。

 繰り返すけど本当に子どもの頃に観たかった!子供の頃にこんなもん観た日には一生ものの記憶だったと思う。

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 大人になってると、観ている間は最高だったけど、夜になって明日の仕事が迫ってくると「あ、そういえば今日映画観たっけ」みたいなことになって悲しい。大人にとってはやっぱり「観終わってしばらくしてみると『子供向けだったな』と思える」ってことで★マイナス1。
 最後にフレッドパパが出てきてスタン・リー(無理やり例えればアメコミ界の手塚治虫先生みたいな人)の声でしゃべるサプライズの意味が分かった子供はいるかな?そこは大人(マニア)向けだったね。



 こんな凄い映画、もっと流行っていいはずなんだけどな…。朝から晩までワイドショーやニュースバラエティでギャルみたいなキャスターが「ベイマックスの日本リスペクトが凄い!」「ベイマックス可愛い!」という特集やってても違和感ないぞ。
 ロングランになってるみたいだからそこそこ当たってるみたいで何より。観てない人は是非!子供がいるなら必須!
 なんなら国策で援助してもいいくらい。それくらいの親日愛情映画!オススメ。

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追記
 この所「アナと雪の女王」で大当たりをとったディズニー長編映画部門だけど、この映画(ベイマックス)って突然登場人物が歌い出す「ミュージカル場面」ってそういえば無かったなあ。
 個人的には子供の頃頭がおかしくなるほどハマり狂った「ピーターパン」でもミュージカル場面は結構気恥ずかしかったのでこれもポイントが高し。

更に追記
 ピクサーのジョン・ラセターが勝手に(?)宮崎駿の一番弟子を自称するほど影響を受けていると公言しているのは有名だけど、この映画は「空を飛ぶ場面」の爽快感、ワクワク感は全盛期の宮崎アニメを髣髴(ほうふつ)とさせる。
 ギリギリ「千と千尋の神隠し」を最後に宮崎アニメからは飛行シーンが消え、同時に輝きも失われたことに注目。


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