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無限の住人(映画)(ブラックウッド)

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第70回カンヌ国際映画祭特別招待作品!
主演:木村拓哉×監督:三池崇史
世界に放つ、爽快‟ぶった斬り”アクションエンタテイメント!



 学生時代から延々読み続けてきた漫画だったので「実写化」のニュースに何だかんだで飛びつきました(笑。

木村拓哉 映画 無限の住人 フライヤー

 あの長大な原作を2時間ちょいの映画に出来るわけがないので、どっちにしても途中までとかになるでしょう。
 もう出来がどうこうじゃなくて「どれくらい再現してくれているのか」だけで観に行ったみたいなもんです。

 「SPACE BATTLESHIP ヤマト」とかも実は観に行ってるんですけど、いろんな意味で、一緒に行ったメンツとツッコミどころ満載で中身を肴に盛り上がる盛り上がる。…間違いなく「元を取った」体験でした。

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 SFに比べれば時代劇なので違和感は少ないはず…とかハードル下げ気味に鑑賞。

 公開一週間目にしてモーニング1,300円という追い風なのにお客の入りはちょっと寂しい感じで不安を覚えつつ、ギリギリに到着したのでフライドポテトもなしで。

無限の住人(1) (アフタヌーンコミックス)

 結論から言いますと…とても楽しめました(^^。

 はっきり言って暗記するほど…というのは大げさですが、かなり読み込んだ漫画だったのでストーリーは全部頭に入っているし、言葉だけでは分かりにくい「役名」も漢字で認識できているので、「一見さんがどう思うか」が客観的に全くわかりません(^^。

 吐鉤群(はばき かぎむら)とかセリフで怒鳴られてもどのキャラなんだか一致しなかったんじゃないかな。そこは何故か和歌みたいなのを画面に出しちゃう演出もあったんだから、どのキャラも初登場の際には画面に文字を出すくらいはやっちゃって良かったんじゃないでしょうか。この頃の朝ドラとか大河ドラマでは普通にやってるので。

 一応「無限の住人」に何一つ知識のない嫁も「楽しかった」と言っていたので大丈夫だと思います。

 百琳ねえさんとか偽一とか再現度がいい!コスプレっていやあコスプレなんだけどいいじゃん別にねえ。

 それにしてもじいさん俳優さんたちのド迫力が凄すぎて、木村拓哉以外の若い男の俳優が押されてたのは秘密。

 キャラでいうと、特に凛がよかった。

 はっきり言って漫画のキャラに似ているかというと似てはいないんだけど(衣装とか髪型とかで似せてますが)、あのヘタレでダメな雰囲気がまさに凛!でした。




 ただちょっと甲高い声が耳にうるさかったかな。ああいうのって音響をいじって音をちょっと丸くするとか出来ないんですかね。

 とはいえ欠点が2つほど。

 PG12指定と全年齢指定ではない(だからドラえもんあたりと比べて興行収入で苦戦することに)ことからもわかるとおり、かなり遠慮のない斬り合い、殺し合いです。

 漫画を読んでいた方ならお分かりのとおり、実は卍ってそれほど強いワケじゃないというか、乙橘槇絵(おとのたちばな まきえ)あたりには普通にボコボコに負けます。

 だからもう全編「ブシュっ!」「ぐしゃあ!」「スビビビビビビ!」とか肉を切り裂く音ばかり。そして「ぐぼっ!」と黒い血を吹き出す美男美女たち。

 もう血みどろの血まみれで、見ようによっては相当にグロイです。

 普通に手足も吹っ飛ぶし。卍にしてからがしょっちゅう斬られた手をひっつけたり(不死身設定なので)してますし。

 映画が全て終わったあと、後ろに座っていた2人組の男性が「グロかったな」と言っていたのが印象的。

 実は2日ほど前に「死霊のはらわた2」を観ていたんですが、ある意味ずっとこちらの方がグロかったとも言えます。

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 なんでかというと、終盤にとある登場人物が斬られて「上半身だけ」になって這いずり回る場面があるため。おそらくあの場面のせいでしょう。

 気持ちはよくわかります。子供の頃に観たスプラッター・ホラー「スウィート・ホーム」で上半身だけに斬られた古舘伊知郎氏にトラウマになった経験がありますので。

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 ちなみにOAV「銀河英雄伝説」にも「血の海で上半身だけになって這いずる回る兵士」の場面があります。

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 戦争である以上当然なんですが、スプラッタ・ホラーを観ているつもりがないところで突然来るとかなりのショックがあります。

 こと「人体変形」に関してはグロ耐性がある人とない人が極端に分かれます。

 なので、演出家は「人体変形」描写にはことのほか注意する必要がある…とされています。

 劇中、どうしても閑馬永空(しずま えいくう)はダルマ状態にせざるを得なかったのですが、それ以外は手足の切断程度はやっても、決定的な人体変形を避けてきたのです。

 ある意味ネタバレしてしまいますが、冒頭のモノクロ部分で描かれる卍の妹、町(まち)の死にざまはあんなものではなくて、「身体を3つに分断されて」死にます。

 なのに最後であれをやったのはなあ…。私はもういい加減慣れてますからこの程度ではどうということはないんですけど、原作にもない「無用な人体変形描写」はなんでねじこんじゃったかなあ…という感じです。
 これは普通のお客さんはドン引きです。

 まあ、三池監督のバイオレンス描写の凄まじさは映画ファンならみんな知っていて、それに比べれば温(ぬる)いなんてもんじゃないのはわかってますが、これは木村拓哉主演のメジャー大作ですからね。

 木村拓哉主演だし、「痛快娯楽チャンバラ映画」が観られると思って来てみたらマジで血みどろぐちゃぐちゃのグロい殺し合い映画だった…という感じに多くのお客さんがなっちゃったんじゃないかと。
 ぶっちゃけ後味のいい映画にはなってませんから。

 ラストの場面以外はほぼ原作通りではあるんだけど、あれを無責任なくらいカラッと明るいトーンで演出することは可能だったと思うんだけどなー。

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 もう一つの問題が、主人公たちチームの「強さ」に根拠がないってこと。

 普通は剣の殺し合いなんて「2対1」になった時点で「詰み」です。

 技量が同じ程度ならまず死にます。

 それをあの人数相手に勝っちゃうからには「不死身になったと同時にものすごく強くなった」とか別になんでもいいので「ロジック」がないと観てるこっちはハラハラしません。

 まあ、宮本武蔵が70人を相手に1人で勝った記録もあるし、人数の多い敵に勝つこと自体はあるんですが、それには「論理」がやっぱり欲しいわけです。

 そこが無かったのが残念かなあ。

 原作からしてそんなもの設定されてないといえばそうなんだけど、ラストバトルで、死んじゃいけないキャラを軒並みぶっ殺して「続編なんか作る気なし!」でやってみせたんだから、そこは改変してよかったんじゃないかと思います。


 …まあ、いろいろ書いてきましたけど、20年来の「無限の住人」ファンからするとプレゼントみたいな映画でした。
 漫画ファンだった人なら楽しめると思います。大人の趣味として1,800円くらいは貢ぎましょうよ。

 私なんて作者のコメントが絶対に載ってるはずだと思ってパンフまで買いましたから(載ってました)。

 おススメ。

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*かなりどうでもいい豆知識なんですが、登場人物の名前はその多くが「葛飾北斎」として知られてる画家のペンネームから来てますね。「画狂老人 卍」とか。凶(まがつ)とか、画風の「宗理美人」とか。

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