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映画「ミケランジェロ・プロジェクト」感想(黒家カイミ)

ミケランジェロ・プロジェクト.jpg

【ミケランジェロ・プロジェクト】
2015年 アメリカ /監督:ジョージ・クルーニー  出演:ジョージ・クルーニー、マット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ケイト・ブランシェット

公式サイト→ http://miche-project.com


(You tubeより)


予告の動画はややコメディっぽい感じも見えますが、映画自体は笑う部分はもちろんあるんですけど、全体的にシリアスよりな感じでした。

原題は「THE MONUMENTS MEN」チーム名そのままですね、けれど邦題は「ミケランジェロ・プロジェクト」。

この邦題の付け方がちょっと・・・。

それに出てくる作品がミケランジェロだけじゃないし・・・。

ミケランジェロの聖母子像が映画の中で象徴的な位置づけになってるのはたしかだけれど、もっともっと他の美術品も出てきますよ!

軍事経験はゼロなのはたしかだけど、そこは劇中でそれほどコミカルに描かれてない感じ。

以上、邦題や宣伝の仕方が気になったので、つらつらと書き留めておきます。



それでは映画の感想を書きます。

ネタバレっぽいことにも少し触れてますのでご自身の判断で読んでくださいね。

ジョージ・クルーニーが製作・監督・脚本・主演をこなした映画で、実際にあった史実をモデルに脚本書いたそうです。

出演者が豪華ですね〜。映画に詳しく無い私でも聞いたことある人が多いな。

序盤のストーリーをざっくりと。

第二次世界大戦の終盤。ドイツ軍はヒトラーの命により、ナチス・ドイツが侵攻したヨーロッパ各国の美術品を次々と略奪します。

その中には、レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」「モナ・リザ」、ファン・エイク「ヘントの祭壇画」、ゴッホ「ひまわり」、レンブラント、ルノワール、ロダン、ピカソ・・・・・・、そしてミケランジェロ「聖母子像」など、数々の名作が含まれていました。

戦火に合い破壊されるだけでなく、ナチスが撤退する時も美術品を故意に破壊してしまう(のちにナチスが敗北した後は「ネロ指令」という、街の全てを破壊しつくす命令もだす)ため、多くの文化財・歴史的財産が失われつつありました。

この事態を重く見たハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、時の大統領フランクリン・ルーズベルトに美術品の救済を直訴しますが・・・。

大統領は人手が足りない事を理由に、ストークス本人が戦線に向かうよう要請します。

ストークスはアメリカ各地を回り、

メトロポリタン美術館の主任学芸員であるジェームズ・グレンジャー(マット・デイモン)、

シカゴの建築家のリチャード・キャンベル(ビル・マーレイ)、

彫刻家のウォルター・ガーフィールド(ジョン・グッドマン)、

演劇興行主および美術史学者のプレストン・サヴィッツ(ボブ・バラバン)、

ユダヤ系フランス人美術商のジャン=クロード・クレルモン(ジャン・デュジャルダン)ら美術専門家を招集。

軍事訓練も兼ねて行ったイギリスの英軍基地で、イギリス人歴史家のドナルド・ジェフリーズ(ヒュー・ボネヴィル)を迎え合計7人で美術品救出作戦を実行する部隊「モニュメンツ・メン」を結成。基地にてこれからの作戦会議をします。

ヒトラーが計画している強奪した美術品を展示する予定の施設「総統美術館」についても会議内で説明。ヒトラーは膨大な数の美術品を強奪してたので、もしも実現してたら相当な規模の(現在の3大美術館よりも規模が大きいと思うなぁ・・・)美術館になってたことでしょう。

1944年7月、ナチスが隠し持っている美術品を見つけ出すため連合軍とナチスが戦っているノルマンディーに行き、そこを経由して隠し場所と思われる東側の地域に向かうことに!!


戦闘能力に不安がある美術のプロ達は、無事美術品を取り戻せるのか!?


・・・いくら男性で軍事訓練うけようとも、どう見てもインドア派だし戦闘に関してシトウトの彼ら(年齢層高め、ぽっちゃりした人、白髪で細身のおじいちゃんもいる)には無理っぽい作戦だけど大丈夫かな!?と不安になります。

この戦闘のシロウトが戦場に行く、というのは日本ではキャッチコピーで宣伝文句にしてたけど、特別なことではなくこれがリアルな戦争の描写かもしれません。

戦争時かつては日本も学徒出陣までしなくてはならなくなったように、戦争が終盤になればなる程、シロウトだって戦場に行かなくてはならなくなるのです。

戦場の描写が描かれてたとこで印象に残ったのは、夜、逃げ後れた敵兵にバッタリ会ってしまい、言葉が分からず怯えて銃を向けている彼にタバコをあげてコミュニケーション取った後、逃がしてあげたり。これは彼ら(モニュメンツ・メン)らしい行動だなと思いました。
ビルの中から銃を打ってきていた敵を2手に分かれ追いつめたら実は子供だったシーンも印象深く、本当に戦争が終盤にさしかかってる感じが伝わってきました。


彼らは工夫してチームで機転をきかせ戦場を乗り越え、隠された美術品を見つけて行く過程が面白かったです。

ジュ・ド・ポーム国立美術館学芸員のクレール・シモーヌ(ケイト・ブランシェット)も良かったなー。占領下のパリの美術館でナチス・ドイツ軍によって運ばれてくる略奪品の搬送先を記録し続けたフランス人で、彼女がいなかったら見つけられなかった美術品が多数あったことでしょう。


ドイツが負けて撤退した後、あと何時間かでロシアの土地になる場所にも美術品があることが分かり、アメリカ(モニュメンツ・メンのチーム)はその限られた時間で美術品回収して、パリから逃亡!

この逃亡シーンも痛快で良かったです。



上記の人々は各自モデルになった人物がいるそうです(詳細は公式HPで紹介されてます)。

映画で描かれた後のモニュメンツ・メンの活動が公式HPに載ってたので抜粋して紹介します。

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1951年に至るまで、計350人がMFAA(モニュメンツ・メンのこと)の活動に身を投じたが、活動し初めの6週間に前線で活動していたモニュメンツ・メンはたった7名。誰一人として正式な軍隊経験がないにもかかわらず、彼らは500万点の盗品を発見し奪還することに成功する。

これはナチスによって奪われた膨大な数の美術品・文化財の約20%だったそうで(どんだけ奪ってるのやら…)それでも奇跡的な成果だった。

終戦より70年が経った今でも、ヨーロッパ全土と米軍隊には14名のモニュメンツ・メンが存在する。米軍の民事部の命により、地上戦の場合はいつでも招集可能な舞台となっている。

また、最近でもナチスに奪われた美術品がミュンヘンのアパートから発見された。
1500点、15億ドル相当の絵画だったという。ピカソをはじめ失われていた名画が見つかったのだ。
しかし、今もまだ失われたままの作品は少なくない。

知られざる偉業をこの映画が世間にしらしめたことにより、モニュメンツ・メンの功績をたたえる為の活動も生まれており、アメリカの国立第二次大戦博物館での大規模な展示の計画や、モニュメンツ・メン基金も立ち上がった。

いまだ世界中に散り散りになったままの失われた品々が、いつか元の場所へ戻れるように、とのモニュメンツ・メンの想いは今も確かに息づいている。
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彼らのおかげで、今日の美術品が救われたのかと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。







↓10分スケッチ。モニュメンツ・メンの偉業を世界中に分かりやすい形でしらしめてくれてありがとう!
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ミケランジェロ・プロジェクト [DVD]
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ミケランジェロ・プロジェクト (上)  ナチスから美術品を守った男たち (角川文庫)
ミケランジェロ・プロジェクト (上) ナチスから美術品を守った男たち (角川文庫)


ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争
ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争




MFAA: The History of the Monuments, Fine Arts and Archives Program (Also Known as Monuments Men) (English Edition)
MFAA: The History of the Monuments, Fine Arts and Archives Program (Also Known as Monuments Men) (English Edition)

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