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映画「ターミネーター3」を今更ながらもう一度観た(ブラックウッド)ネタバレ有り

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ターミネーター3 [Blu-ray]

ターミネーター3
Terminator 3: Rise of the Machines
監督 ジョナサン・モストウ
脚本 ジョン・ブランカート
    マイケル・フェリス
原案 ジョン・ブランカート
    マイケル・フェリス
    テディ・サラフィアン
原作 キャラクター創造
    ジェームズ・キャメロン
    ゲイル・アン・ハード
製作 マリオ・カサール
    アンドリュー・G・ヴァイナ
    コリン・ウィルソン
    ハル・リーバーマン
    ジョエル・B・マイケルズ
出演者 アーノルド・シュワルツェネッガー
    クリスタナ・ローケン
    ニック・スタール
    クレア・デインズ
公開
アメリカ合衆国 2003年7月2日
日本      2003年7月12日
上映時間 109分

【ストーリー】
<スカイネット>が支配する未来社会。
人類抵抗軍のリーダーとなる宿命を負ったジョン・コナー。
世界は「審判の日」から救われたはずだった…。
しかし、燃え盛る溶鉱炉に姿を消したはずのターミネーターが、今、再び成長したジョンの目の前に現れる。
いったい何のために…?

*****

・まずはおさらい

 「ターミネーター」シリーズと言えば正に「エンターテインメント映画」史上に燦然と輝く金字塔…なんですが、作品が乱立しすぎて何が何やら状態になっていることも有名。

 私は「生涯ベスト1映画」が「ターミネーター」という駄目人間なんで(笑)、多少は詳しいのでちょっと整理してみましょう。
 映像作品のみ。原作(?)小説とかマンガとかは無しで。


1 「ターミネーター」(1984)
2 「ターミネーター2:ジャッジメント・デイ」(1991)

ここまでが「正史」


「パラレルワールド」その1

3 「ターミネーター3:ライズ・オブ・マシーン」(2003)(本稿)

「パラレルワールド」その2

4 「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」(TVシリーズ)(2008)

「パラレルワールド」その3(続編の話もポシャって無かったこと扱い)

5 「ターミネーター4」(原題「ターミネーター・サルベーション」)(2009)

「黒歴史」(続編の話もポシャって無かったこと扱い)

6 「ターミネーター:新起動(ジェネシス)」(2015)


 …どうでしょう?かなりややこしいですね。

 というか、「2」より後の話を描こうとした作品が3つあるんですが、どれもこれも失敗してその後に繋がってません。一応「3」の設定の一部は「4」に受け継がれているものもあるとかいう話ではありますが。

 大体、「オレのターミネーター」が出来ると思って調子に乗った製作者が、一応はそれ以前にもキャメロン以外がやったターミネーターがあるのに自分勝手にやるもんだから「全部パラレルワールド」みたいなことになっちゃってる。

 ま、アメコミの世界なんかではそれは珍しくなくて「X-MEN」なんて複数の未来から別のキャラがやってきたりなんて日常茶飯事だそうですが。

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デッドプール VS. ガンビット(仮) (ShoPro Books)



・待望のテレビシリーズ

 人気のあった映画をテレビシリーズ化する例は本当に山のようにあるんですが、遂にそれが「ターミネーター」にも及んだのがこれ。

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 それこそ「3」以降に製作された「サラ・コナー・クロニクルズ」がもっと理性を保って「3」に繋がる様に作っていればまだ違ったんでしょうが、これから書きますけど「3」は正直シリーズを終焉させかねない絶望的な展開なのでそれを受け継ぐわけにはいかなかったんでしょう。

 ただ、気持ちは分かるんですが、見れば見るほど「…これって、「3」に繋がらないぞ?」という思いがしまくったのも事実。

 面白いのが「単発」で言ってみれば「やり捨て」だった「3」以外の全ての作品が「その後」も続ける予定満々だったのに、不人気の余り断絶していること。

 そもそも問題なのが、「ターミネーター」世界を大きく拡散させるポテンシャルを秘めていた「サラ・コナー クロニクルズ」(TSCC)。

 「美少女型ターミネーター」という日本のアニメみたいなアイデアはちょっと「9.11テロ」以降の思想的な押しつけがウザかったものの特に第1シーズンなんかは「これ、ムチャクチャ面白いぞ!」と思わせてくれます。




 実際ターミネーター界隈は結構これで盛り上がったみたいだし。

 しかし、不幸なことにアメリカ脚本家組合のストライキに巻き込まれる形で物凄く中途半端なところで打ち切り同然に終わってしまいます。

 このストライキは、飛ぶ鳥を落とす大人気だった「HEROES」

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なども終焉させてしまっており、「24-Twenty Four-」の第7シーズン

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の開始も遅らせることになりました。

 とはいえ、TSCCのシーズン2は以前に比べると迷走が目立ち、はっきり言ってつまらなくなっていたのでストライキ関係なく打ち切りだったでしょうね。


・問題の「ターミネーター4」。

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 これまで散々匂わされてきた「核戦争後の世界」が遂に描かれる作品で、ほぼ全編が廃墟となった都会や大自然の中。

 私も子供の頃は御多分に漏れず「ターミネーターの続編」アイデアをノートに書き留めたりしてましたが、発想は同じでした。

 ただ、これが3部作構想だったのに単なる不作どころか制作会社ごと潰すほどの大コケ。

 実は「いかにして最終核戦争を防ぐか」で頑張るのがターミネーターシリーズなので、実際に核戦争が起こってしまっていては駄目だったんですね。

 超巨大ターミネーターとかアイデアそのものは悪くないところも沢山あるんですけど、確かに「ターミネーターらしさ」は皆無。



・そもそも「核戦争で世界が滅ぶ」イメージそのものがもう古い

 元祖は1984年。世界ではノストラダムスは日本ほど流行してませんが、「キューバ危機」や「冷戦」もあって「核戦争で世界が滅ぶ」イメージはそれほど皮膚感覚として遠くありません。

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 1991年に1997年という近未来を描く「2」では「終末」イメージはより強烈です。

 副題の「ジャッジメント・デイ(審判の日)」というのは日本人には全くピンと来ませんが、キリスト教文化圏ではかなり深刻にして強烈。

 あちらの宗教観では一旦死んだ人間は「煉獄」というところで待機し、いよいよ世界が終わったならばそこで天国に行けるか地獄に堕ちるかの「最後の審判」を受けることになるそうです。

 それが行われる日が「ジャッジメント・デイ(審判の日)」。

 ただ、神様が死んだ人間を裁く日と「機械と人間の戦争」は直接関係ありません。

 要するにイメージだけ借りたってことなんでしょう。

 あちらの人も結構いい加減で、特に「アルマゲドン」なんてひどかった。

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 「アルマゲドン」はヘブライ語の「ハルマゲドン」が英語化する際に頭の「H」が取れちゃったことでこうなりました。

 日本においては、オウム真理教が「ハルマゲドン」表記で使用していたのでそちらのイメージの方が強いでしょう。

 何と言ってもアニメ映画「幻魔大戦」のサブタイトルが「ハルマゲドン」だったのでむしろこっちでしょう。

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 「ハルマゲドン」とは「ハル・メギド」がリエゾンしたもの。「ハル」は英語の「ヒル」に相当します。「ヒル」つまり「丘(おか)」ですね。

 つまり「メギドの丘」と言う意味。

 この丘を舞台に最終戦争が起こるんですが、実はこの戦争で戦っているのは神と悪魔(大雑把な話をしています)であって、人間はそもそもお呼びじゃありません。

 なのに何でそれが「隕石が落下してくる」映画のタイトルになってるのか。

 あちらの製作者にも軽薄な人っているんだなあと嘆息。映画の中身は軽薄どころじゃありませんでしたが(核爆)。

 閑話休題。


・そして「ターミネーター3」

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 個人的には「2」は「ターミネーター」のエレガントさが感じられない矛盾だらけの映画なのでそれほど好きではないのですが、まあ「大作」らしい大作で、シュワ演じるターミネーターの「ベビーフェイスターン(悪から正義になる)」の構図も新鮮だったし、ともあれ「キッチリ終わらせた」のでいいと思います。
 まるでゴジラみたいですがね。人気があるから悪役が正義になるなんざ。

 「1991年に1997年を描く」のも終末イメージがギリギリ通用する時代の追い風もあってよかったと思います。

 今では想像しにくいかもしれませんが、言ってみれば「実写映画界のエヴァンゲリオン」みたいに業界全体越えて世界中が「スゲエことになってるぞ!」と盛り上がった映画でもありました。

 では「3」はどうだったか?

 アクション映画なんぞ全く興味も無かったらしいウチの嫁はそもそも「3」の存在を知りませんでした。

 世間一般なんてそんなものかも知れません。

 「2」での世界的な盛り上がりがどこに行ったのかというほど静かなもんで、あれだけTVでCMのみならずコラボCMもガンガンやってたのに恐ろしく知名度が低いです。

 正に

「そんな映画あったんだ」

状態。

 そして、「2」と構図が全く同じです。正義のシュワターミネーターがやってきて、悪の美形最新型ターミネーターと戦う。




 公開が 2003年ですから、とっくに「終末イメージ」なんて無くなっています。

 敢えて言うならギミックとして「今回は美女」というくらいですけど、正直新鮮味は余りありません。全身がぐにょぐにょ変形していた「T2」に対して今回は骨格の上に液体金属を被せているらしいのですがこの設定も何とも中途半端。

 「T2」に世界中が驚愕したのは正にあの「液体金属」のCGだったでしょうに。




 一番やるせないのが「自己パロディ」みたいなことをあちこちでやること。

 「ターミネーター」でシュワがサングラスをするのは損傷した目の部分を隠して目立たなくするためであって、「合理的理由」があります。

 なのに「ターミネーターといえばサングラス」みたいなお約束になっちゃってる(これは「2」の時点でそうでしたが)。

 大体あの角刈りみたいなツンツンヘアは車の事故の炎上に巻き込まれて焼けたからで、それ以前はウェーブの掛かった普通の髪型だった筈(はず)なんですが…。同じ型なのに初期髪型設定が違うの?


・ありがちB級SFの「続編あるある」のわびしさ

 「ターミネーター」「2」に引き続いて皆勤賞だったのはシュワとシルバーマン博士だけ。シルバーマン博士なんてお笑いキャラとしてターミネーターファンにはお馴染みですが普通の人は名前も憶えてないでしょ。




 あんなに頑張ったサラ・コナーことリンダ・ハミルトンも出ない(劇中で死亡扱い)。世界中を熱狂させた美少年だったエドワード・ファーロング…だったジョン・コナーはムチャクチャ華の無いヘタレ野郎になってる。

 とても同一人物に見えません。

 この辺りの「自己パロディ」臭がどうもねえ…。

 ちなみに「ジョン・コナー」ほどイメージが不統一のキャラクターもいませんで、「2」の冒頭のイメージシーンに出て来る顔にでっかい傷のある大人と、エドワード・ファーロングの少年時代。「3」のヘタレ野郎。




 そして「4」だとなんとクリスチャン・ベール!!




「3」のずっと後に製作されて繋がっていないことが明言されているとはいえ、あの「3」のジョンが成長したらクリスチャン・ベールになるんでしょうか?成長なんてレベルじゃなくて人格も変わっちゃってますがな。

 カイル・リースことマイケル・ビーン…は劇中ではお亡くなりになっているので仕方がないけども、こうも主要キャストを欠いていると、例えシュワが出て来ていても「敗戦処理」ムードが出るのは仕方がないでしょう。

 確かにT-Xを演じるクリスタナ・ローケンという美女は現実味が無いほどの美貌とスタイルと、そして演技なのでしょうが全くの無表情ぶりが見事なものですが…残念ながら画面のゴージャスさは「2」にも及ばないです。




 クレーン車で街中を破壊しながら突っ走るシークエンスとか、観てて「ひえぇ~っ!」となるほど凄いんですが…観終わると忘れてます(ヒドい。

 ちなみにこの映画の直後にシュワはカリフォルニア州知事に立候補していて、普通はこれほどお金の掛かる撮影は海外で行うのを何故か地元のロサンゼルス・ロケで地元にお金を落としたことで「票稼ぎでは?」と勘繰られたりしました。

 こういう「雑音」ばかり聞こえて来る時点でちょっと…と言うのが当時の感想。

 これでシュワが出ていなかったら更に悲惨だったでしょうね。

 実際、シュワが出ない「4」の惨状がそれを実証しています。

 そもそもからして、「3には出ない」のを公言していたシュワが出演を決めたのは直前の映画がコケて人気が低迷してたんで出るという志の低さでした。


・「3」の結末はシリーズ全否定

 みんな「そこがいい」なんて言っていますけど、「結局世界は救われませんでした」結末はまるでバッドエンドです。

 「エルム街の悪夢」みたいな。




 「T2」はタイムパラドックスに目をつぶらなくてはならない問題はあったにせよ「未来を変えた!」というハッピーエンドだったのに。

 いや、何が問題って「ターミネーターの面白さ」が感じられないのが駄目。

 「ターミネーターの面白さ」とは?

 そんなもん簡単です。

 「命がけの追いかけっこ」ですよ。これほど単純な映画があるでしょうか。

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」だってそうでしょ?

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 シュワの「再起動」シークエンスとかもう「様式美」の世界。「2」での1回なら通用したんでしょうが、もう通用しませんよ。

 冒頭で冴えないホームレス同然のジョンを描写したのは、「世界の終末になると、人類にとっては不幸だけど、ジョン個人にとっては虚栄心を満たせる」みたいな皮肉に繋げてくるのかと思っていました。




 確かに「最終戦争」に備えることばかりさせられていた「2」のジョンの生活は荒れていて、きっとあれでは社会復帰なんか出来なかっただろうな…と思わせてはくれます。

 そういえばゾンビ映画とかでは世界中がゾンビハザードでムチャクチャになってるのに、それまでの世界ではガソリンスタンドの店員くらいだった人間が何故か数百人を束ねるリーダーになっていたりします。

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・「3」の最大の問題点とは

 未来に希望が無いことです。

 ハッピーエンドの「T2」とは比べるまでもないんですが、未来の「ある時点」で今回やって来ている当のターミネーターに殺される未来が確定している…というのはハードに過ぎます。

 個人的には「結局核戦争は起きてしまいました」ラストはあれはあれでいいと思います。




 ただ、その場合でも「よし!これから人類をまとめて戦うぞ!」と前向きになれればいいんですが、その可能性も潰してしまっています。

 それこそ「ならばせめてターミネーターに殺される」未来を回避出来るか?といえば出来ないでしょう。だって核戦争そのものをも防げてないし。

 つまり、この映画の世界観においては「確定した未来は変えられない」んです。

 だとすると、「ある時点でシュワ型ターミネーターによってジョン・コナーが殺害される」未来だって変えようがありません。

 大体、「T2」の時点でのジョンたちはそれなりに根無し草みたいな生活はしてましたけど、まだ「この世界は美しい。救う価値がある」と思わせてくれるものがありました。

 でも「3」ってホームレス同然に落ちぶれてます。母親であるサラ・コナーも死んでいて「失うものが無い」状態なんですよ。

 これで今回のヒロインに対して「この子だけは絶対守る!」とかなっていればいいんですが、隅っこにいじいじと蹲(うずくま)っている状態を見下ろして「小汚い」と軽蔑される立場です。




 これでは「核戦争が起こって大変だ!」という切実さなんて伝わりません。

 「所詮フィクションだろ?」と思われたらこの手の映画は終わりです。なのに過剰な自己パロディとかのメタ構造でその辺りをスポイルしてしまっています。

 どの時点でシュワ型に殺されるのかまでは明言していませんでした。人類勝利の後なのか志半ばなのか。いずれにしてもそんな状態で頑張る気が起こるでしょうか。

 そこはせめて「瀕死の重傷状態でオレ(シュワ型ターミネーター)は過去に送られてきた。その後ジョンがどうなったかは知らない」とか希望を持たせておいてくれればいいのにそういうサービスはしないんだよなあ…。

 そもそも「3」のシュワ演じるターミネーターはそのまんまの冷徹な機械人形で、「T2」は勿論のこと、最初の映画「ターミネーター」にすらあった「人間臭い愛嬌」みたいなものが全くありません。そこもこの映画がイマイチ受け入れがたいポイントだったりします。


・駄目なジョンは駄目

 やっぱり、あのエドワード・ファーロングだったジョンが今回みたいにオーラのないあんちゃんになっちゃってたのがかなり大きな問題。

 あれがどう一念発起しても未来の世界のカリスマになれると思えません。

 劇中、弱音を吐いたところをターミネーターに吊上げられ、怒られる場面があります。




 これなんか観てて物凄く辛かった。

 エドワードみたいな年端もいかない子供が怒られるのと、「駄目大人」が怒られるのでは全く意味が違います。

 「駄目大人」がヨレヨレの格好で「どうせ自分は駄目なんだ」式の甘ったれた悪態をついて怒られるところなんて他人でも絶対見たくない。でもそれを見も蓋もなく見せちゃう。それが「ターミネーター3」なんですよ。

 こちとら痛快なSF活劇が観たいのに、どうして派遣社員が場末の酒場で愚痴をこぼしてそれを大してレベルの変わらない先輩に怒鳴り声で説教される修羅場みたいなわびしいモノを見せつけられなければならんのか。

 こちとら「C級さらりーまん講座」読んでるんじゃなくて「ターミネーター」の最新作を観てた積りなんですがねえ。

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・最大の問題

 実は「核戦争」の開始が描かれていても個人的には構わないと思います。

 何しろ、苦戦はしてもジョン・コナー率いる抵抗軍は最終的には(どうやんのか全く想像も付きませんが)スカイネットに勝利するんですから。

 だからこそそれを阻止するために過去にターミネーターが送られる訳でね。

 筆者が個人的に子供の頃に書いていた「ターミネーター」の続編では、正に目の前で悪のターミネーターが過去に送られるのを見て、「オレが行く!」とカイルが旅立ち、直後にタイムマシンを破壊するところで終わる映画でした。

 苦難は予想されますが、それでも希望の持てる未来は広がっていた訳です。

 ところが「3」は単に映画の最後で核戦争が起こってしまうというだけでなく「確定している絶望的な未来」をセットして終わってしまいます。

 この後シリーズを続ける予定が無かったとはいえこれはあんまりでしょう。

 「こんな結末に繋げられない」からこそ「TSCC」はあんなに迷走してしまいました。

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 極論すれば、初の非キャメロン「ターミネーター」たる「3」こそがその後のシリーズ全体の大迷走の引き金を引いたとも言えるのではないでしょうか。


・ブラックウッドの対案

 そこまでやっちゃうとブラックジョークに過ぎるのかもしれませんが、ここまで「ターミネーター」シリーズをおもちゃにするんだったら駄目人間になり下がったジョン・コナーが「終末を待ちわびる」映画ってのも面白かったんじゃないでしょうかね。

 そして、「今はしがないプー太郎でしかない自分が抵抗軍のリーダーとなって、世界中から尊敬される」未来を実現するために核戦争のボタンを自ら押してしまう!…

 ところがそれは、「スカイネットを停止させる唯一のボタン」だった。

 「まともな判断力なら絶対に押さないはず」だったボタンに割り振ったスカイネットの目論見は外れ、自滅してしまう。

 しかし、結果的に「人類を救った」ジョンは英雄に祭り上げられて自叙伝を出せばベストセラーになり、ナイトショーに出演したりとセレブの仲間入り。

 一年後、調子に乗ったジョンが破産してホームレスに。

 何故か目の前に座りこんで覗き込んでくる男。目が赤く光って人間ではない雰囲気。

「…これなら殺すまでもないな」

 恐らくジョンの抹殺指令を受けてきた別口のターミネーターなのだがそのまま立ち去ろうとする。

 ジョンは慌てて立ちあがり「殺せ!そいつはターミネーターだあ!殺せえ!」と叫びながら走り回るがそこを乗用車に撥ね飛ばされる。

 瀕死のジョンに駆け寄る人々。

「こいつって…あの有名人のジョン・コナーじゃねえの?」
「まさか」

 とか何とか言われている間も「あいつを…殺せ…」とうめき続けるジョン。

 一瞬視界に入ったターミネーターが目を紅く光らせて「にやり」。

 「かあさん…」脳内に「T2」の情景がフラッシュバック。そして力尽きるジョン。

 画面に大きく口元を入れつつ立ち去るターミネーター。カメラが上がっていき、メインテーマの80年代版の安っぽいシンセサイザー音が流れる中画面が暗転してクレジットが流れ始める…。



















 こんな感じでどうでしょう?

 敢えてそこに

「この□年後 〇〇年東部標準時××時△△分 スカイネットによる核攻撃が開始された」

とかのテロップは一切入れずにブッツリ終わらせます。



・ポップコーンを投げないでください!

 …ってな案を昨日の晩、妻にしてみたら「お客さんはスクリーンに向かってポップコーン投げて暴れるね」とのことでした。

 そうかなあ。面白いと思うんだけど。

 もしも本当に最終戦争が起こるなら、ジョンを失った人類は今度こそ絶滅しちゃうでしょうね。

 ただ、「最後の男は本当にただの通りすがりで、別にターミネーターでも何でもなくジョンの思い込みに過ぎなかった」というのもありかと。

 もうポール・バーホーベン越えてデビッド・クローネンバーグの映画みたいになってきたな。

 流石に「ターミネーター」「T2」までの話を「夢オチ」にしちゃったらファンは激怒どころじゃないでしょう。

 しかし、「全否定」と言う意味では「2」の後に作られた作品の中で唯一「その後」のことを一切考えず「やり棄て」したこの「3」もどっこいだと思いますが。


・やるからには

 別にこれがベストだとは思ってません。

 ただ、どうせやるんなら「全く違う事」をしないと。

 「ターミネーター」と「T2」の最大の違いはベビーフェイスターンでしょ。「エイリアン」と「エイリアン2」の最大の違いはゴシック・ホラーから戦争ものへのジャンル変更でしょ。

 結局「3」以降の全ての作品は「2」の焼き直しをやろうとして縮小再生産になって失敗してるんです。

 「核戦争後の未来」を描いてもファンは喜ばないことが「4」でハッキリしてしまいました(映画としてつまんなかったと言うこともあるかもしれませんが)。

 じゃあどうすればいいのか?と色々考えるんですが結論は出ません。

 一つ言えるのは、「ターミネーター」がここまでカルト人気があり続けるのは「ターミネーター」で描かれたキレのあるアクションの抜群の面白さあってこそでしょ。

 つまりは「追いかけっこ」アクションが面白かったのであって、別に「ターミネーター世界」そのものの魅力って訳じゃないでしょ。

 実際、その辺りを換骨奪胎して「時代劇」にしても面白いのは同キャメロン監督の「タイタニック」で実証されています。

 大体、未来では名も知れぬ一兵卒であるはずの「カイル・リース」が「4」では押しも押されもせぬ有名人になってるって展開が気に入らない。

 そもそもアメリカ人は「ターミネーター」シリーズを神格化しすぎ!

 TSCCにおいて1回まるごとシルバーマン博士の回があったけど(何故か俳優さんが似ても似つかない)、そんなマイナーキャラなんてよほどのファンでないと覚えてないから!


 個人的には「ターミネーター」があれば満足なんでどうでもいいです。「T2」も余計だと思ってるくらいなんで。

 ま、今みたいに延々リブート掛けまくるけど失敗したり世界観がやたらめったら拡大して収拾がつかなくなる感じでいいんじゃないですかね。

 みんな、元がどんな話だか分かんなくなったら「ターミネーター」観ようね(宣伝。

・リブート

 この所映画のシリーズものの「リブート」が盛んですね。

 「スパイダーマン」なんてサム・ライミの3部作の印象もまだまだ生々しいのにもうリブートだって。

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 「スター・トレック」みたいに膨大なテレビシリーズを持つ作品なんかのリブートはある意味助かります。

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 かの「エイリアン」も「プリクウェル(前日談)3部作」やってますけど、元はリブート企画だったそうだし。

 この「リブート」の波にとうとう「ターミネーター」も巻き込まれます。それが「新起動(ジェネシス)」

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 これについて語っていると原稿がもう一本出来上がるので勘弁してもらいますが、一つだけ言えるのはこの「リブート」が「失敗に終わった」ってこと。

 今では「黒歴史」「無かったこと」扱いです。

 そして、遂にキャメロン監督自らが引っ張り出されて自分でリメイクする予定なんだとか。




 まあ、この手の「トバし情報」はそろそろ信用しなくなってますけどね。

 大体「ターミネーター6」ってタイトルがダサすぎ。ナンバリングしておきながら「新起動」がちゃっかり「5」扱いになってたりワケワカメ。

 もし本当にキャメロン自らの手によるリメイクが実現したとしたら一体どうなるのか?

 …個人的には「T2」は「ターミネーター」の実質的なリメイクも同然だと思ってます。

 なので「リメイクはもう観たよ」というのが正直な感想。

 「ヱヴァンゲリヲン:Q」やら「エイリアン:コヴェナント」なんかを見ても「監督本人がやらかしちゃった」物件は後を立たないので…期待値低めで見守りたいと思います。

 長々とすいませんでした。

追記

 ターミネーターファンには釈迦に説法でしょうが、頑固な「ターミネーター」ファンには「『ターミネーター』解剖」がオススメ。

『ターミネーター』解剖

 「T2」ですらなく、無印「ターミネーター」についてのみその魅力を存分に語り下ろした労作。個人的にも内容に大賛成!一読の価値アリ!


*****

黒家カイミ追記です。

ブラックウッドさん・・・長い、長いよ、感想が (; ・`д・´)!!
「ターミネーター」好きだから、長めな文章になることは予想はしてたけれど・・・。

まさしく「ターミネーター3」は「え?そんなのあったっけ?」と思いました。
(エイリアン4の存在を知った時もそう思った・・・。)

ちゃんと、終わってましたよね?「2」でスカイネット倒してましたよね??
続編を作る人達は、たくましいな〜・・・と思いました☆


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