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映画「ミステリアス・ピカソ 天才の秘密」の思い出(黒家カイミ)

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【ミステリアス・ピカソ 天才の秘密】
原題:LE MYSTERE PICASSO
上映時間:1時間20分

1956年 フランス
監督・製作:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
撮影:クロード・ルノワール
編集:アンリ・コルピ
音楽:ジョルジュ・オーリック

【内容】
天才画家パブロ・ピカソによる創作の瞬間を記録した歴史的ドキュメンタリー。
1956年 カンヌ国際映画祭 審査員特別賞作。
監督は『恐怖の報酬』、『悪魔のような女』などサスペンス映画の巨匠アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、撮影は叔父ジャン・ルノワールの作品を多く手がけたことで知られるクロード・ルノワール。壮大で繊細なイマジネーション溢れる楽曲はジョルジュ・オーリックによるもの。

画家ピカソ本人が全面協力し、画面に向って次々と描かれる作品は、スケッチから水彩、油彩、やがて実験的大作へと連なってゆく。

映画はモノクロ、カラーが混在、サイズはスタンダードからシネスコへ拡大、ピカソ芸術の秘密に迫る。
描きなおされ、消される絵の数々は、まさしく本作品の中にのみ存在するもの。
クライマックスとなる傑作『ラ・ガループの海水浴場』が完成するや、ピカソは同じモティーフで新たなアプローチを試みる。

この作品のために描かれた20点にのぼる絵画は、収録後ほとんどが破棄されている。その為、フランスでは1984年に国宝に指定された。
(※現在『ラ・ガループの海水浴場』(第一作)は、東京国立近代美術館に所蔵)

批評家アンドレ・バザンは著作『映画とは何か』(岩波文庫)で、本作を、様々なフォルムが、生まれたばかりの状態で自在に現れ出ることの魅惑と評している。

映画とは何か(上) (岩波文庫)


2016年2月に、HDリマスターでDVDとBRが発売された。


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感想:

好きな画家はシャガールなのに、何故ピカソに興味を持ったのかというと・・・「好きではないけれど、何度も絵を気になって観てしまう」画家なのです。

私は暖かみのある作風が好きなので、この画家の持つ「対象を突き放して観ているような、冷徹さ・冷たい感じ」が、たまに作品から感じ取られるのがちょっと苦手(これは、あくまで私の個人的な印象です・・・私はキュビズムより写実的な『青の時代』の方が、まだ暖かみが感じられて好きなんですよねぇ・・・)。

それでも、気になってピカソの絵を何度も観てしまうのは、この画家が疑う余地なく「天才」であるからかなぁ・・・と思ったりします。


・・・私は映画公開時(1956年)には生まれてないのですが、たまたまミニシアターで(観た時期は2000年位だったような気がします)再上映しており、興味を持って観に行きました。

当時、おそらく22歳位でした・・・まだ都会で勤めていたので映画館で観る機会に恵まれたのだと思います。
今だと田舎に住んでいても、こういうマイナーな映画を観れる(ネット配信、DVDで購入など)ので良い時代だな〜と思います。

映画は、とにかくピカソが描きまくるドキュメンタリー作品なのですが、こんな映像良く撮れたな〜、と当時は本当に感心して、2度観に行きました。

・・・正直に言うと、当時、就職が無いまま学校卒業して、倉庫で夜勤バイトしながら就職活動してたのです・・・その仕事帰りに映画を観に行って案の定、途中寝てしまい、良い映画なのに寝たのが悔しくて再チャレンジ、2度目はしっかり睡眠とれた日に観れて「観直して良かったなぁ。」としみじみ感じました。
フリーターで就活してる身としては、同じ映画を2度観るのは、金銭的に無理してたと思うのですが、それだけ良かったのだと思います。

今、ネットがあるのでこの映画の事を調べてみると、昨年にHDリマスターが発売されてるのですね!
これはぜひ、お小遣い貯めてDVDを買いたいな、と思います!

そしてネットで調べると、監督も音楽も撮影も、当時の超一流の方ばかりのようで・・・。そんな詳しいことは、何とも知れずに2回観に行くほどの魅力があったのだな〜、と再納得(無理して行って良かった)。

絵画好きとしては、撮影のクロード・ルノワールのご先祖様は、何と印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールですから・・・。

クルーゾー監督は、サスペンス映画を撮られている監督なのですね(そんな事も知らずにすみません)。
だから、映画がサスペンス仕立のように感じたのか〜と今更ながらに思い出しました。
映像で、筆致が浮かび上がり線が描かれるのですが、観ている側は筆や手が見えないので「??」と不思議に感じるのです。
それは、実は紙を垂直に立てて裏側から(表側にピカソがいて、映画の画面からは見えず、紙に染みた筆致だけ見える)映した映像だったりして面白いです。

フィルムの余り時間(10分〜15分位?)で1枚の絵が仕上げられるか、というタイムサスペンスのような試みがあったり。


劇中、ホントに様々な絵を描くのですが、今でも印象に残っているのは、描いている内に形が様々に変わった絵です。鶏だった絵が手になったり、顔に変わったりして変化する様を観るのはとてもワクワクします!
変化する順番までは憶えてないので、ここも観直してみたいなぁ。


・・・欲を言えば、もっと若い頃のピカソが描いている映像も見てみたかったです。画集や美術館などで観る代表作の絵画を描いた時よりは、ややお年を召されているような印象(製作環境は違う、ということもあるかもですが、でもやっぱりお年召されている印象かなと・・・)を持ちました。こういうオファーをOKするのって、どの分野の方でも割と年取って(巨匠になって)からになる場合が多いでしょうから、仕方無いかもしれませんね・・・。

現代だと情報が広まるのが早いせいか、40代位の作家でも「情熱大陸」等で取り上げられたりするので、時代の違いもあるのかもしれないな〜と考えてみたり。

脂ののった(?)若い時のピカソがどんなだったかな〜と想像しつつ、再度HDリマスターのきれいな画像で観てみたいです♪


ミステリアス・ピカソ_ほぼ日.JPG


もっと知りたいピカソ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)



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